3.05.2013

先入観が遮る、新・東洋の味

3月に入り、日照時間が更にぐんと長くなった気がする。先週の金曜日などはサングラスが必要な程で、バルコニーでデンマーク人がバーベキューをしててもおかしくなかったくらいだ。春到来である。最近外に出るのが億劫になって来たので、これを機に少しでも状況が改善すると良いのだが。買い物と言えば、環境保護の為に受け取りを拒否するデンマーク人が多いスーパーのチラシを、未だ継続して取っている。渡欧直後のようなスーパーで驚くようなコトは全くなくなってしまい、新鮮さに欠けるのかスーパーでの買い物も楽しくなくなってしまったとぼやいていたのだが、先日、久しぶりに考えさせれる商品に出くわした。


いやいや、思いっきりご飯にかかってますやん。SWEETって何?SWEETって?甘いの?そして「bazar」は「bazar tilbud」ではなく「bizarre」の誤植ではないか?はたまた、この「sauce for rice*」の「*」は実はこの商品はドッキリであることの表れで、チラシ最終頁に一足早いエープリルフールである小さい説明があるのでは?とか、色々考えが巡ってこのページを開いてからしばらく動けなかった。醤油の記載こそなくても、黒い亀甲印を目にしただけで、醤油と認識してしまうこの日本人脳(例外としてTERIYAKI ソースがあるが、これはこれで市民権を得つつある)。先入観は時として新しい情報を受け入れる足枷となる。

ここで一歩繰り下げてワタシのキッ○ーマン持論について説明する必要がある。ワタシにとっての初めての外国=北欧某国Nで、ワタシの行動範囲内で買える日本食は醤油しかなかった。それがキッ○ーマンであったかどうか定かではないが、中華レストランのテーブルに備わっていたのは赤いキャップのそれであった。 即ちキッ○ーマンのある場所にはa)日本商社マンが歩き商品を広めた、b)中華レストランの進出、c)駐在サマが持ち込んだ食文化、d)日本で醤油に恋してしまった現地人のUターンの現れ、etc. 過去にその場に日本に関わったヒトがいたという教科書には出てこない涙と感動に溢れた歴史がある筈だ。

書いてみると全く大したことないキッ○ーマン持論(多分アメリカでお豆腐を広めた話と混同している模様)だが、海外に住む日本人にとって、醤油とはキッ○ーマンを指す。そして正統派キッ○ーマンは他のそれよりも高い。どうせ同じ醤油だろうと試しに海外商品を買ったら全く美味しくなくて悔しい思いをした元貧乏学生としては、醤油について色々書きたいことはある。

まぁ、形が旅行であれ何であれ、外国で経験した日本食物語は皆、何かしらあるのではないだろうか?西に何にでもオリーブオイルをかける(もこみち氏)イタリア人がいるとすれば、東は醤油の日本人。 ハワイのパンケーキショップではパンパン、と手を叩くとウェイターが醤油を持って来るという(嘘です)。

醤油、醤油としつこく書いてきたが、日本人にとってお米こそが聖域であり、外国人には踏み込んで貰いたくない領域なのだろう。だからこそカレーでもなく、丼もののつゆでもない醤油に似た物体をがご飯にかけられるのを目撃した瞬間、日頃眠っている何かが目を覚まし警告するのだ。

自ら発せられる警告を打ち破り、先入観を克服した向こう側には新しい東洋の味が待っている(かもしれない)。

2 件のコメント:

  1. こんばんは。
    留学生の友達が白いご飯の上に醤油をどぼどぼかけて、美味しそうに食べてたのを思い出しました(笑)お寿司だって醤油につけて食べるし、マズくはないと思うけど、日本人には真似できないですね。ご飯に甘いソース、、、どれだけ売れてるのか気になります。

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  2. おおおっ、ブログ初コメントです。ありがとうございます。

    そうですよね。お寿司にお醤油つけますし、酢飯ですがお稲荷さんのように甘い味付けもありますものね。最近の調味料+ご飯の組み合わせでは食べるラ○油の例もありますから、きっと先入観なのでしょうね。
    キッ○ーマンさんは海外でかなりの売上を伸ばしているようですので、それなりに売れていると思います。英断に拍手。

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