3.19.2013

そこに壁はあるか?

語学学校が始まって早くも2か月が経とうとしている。お弁当持参の為に一部の食材の消費が飛躍的に増え、週一で購入する黒パンの塊(3日でなくなる)やらレバーペーストやらチーズやらがほぼワタシ一人の胃袋に消える現実をどう受け止めて良いものか。半透明人間冬眠生活から目覚めた脳が活動を開始したと信じたい。

真偽の程は定かではないが、昔のロシアの街にある地図にはその地図のある場所を示す「← You Are Here」 の表示がなく、地図の意味をなさないとの逸話があった。デンマーク語の海に浮かんだ梯子に過ぎないのだろうが、語学学校という枠組みの中で「アナタ(のレベル)はここですよ」と位置付けされて、与えられるまま教材をこなし、導かれるままついて行くのはある意味大変ラクだ。周りに同じレベルで学習している仲間がいるというのも大きいだろうが、やはり餅は餅屋。プロに習うのは一人で疑問を感じつつ学んでいた頃とはかなり違う手応えがある。

学校が始まる前に行われたレベルチェックでは会話・ディクテーション・穴埋め・メールの返信のライティングがなされた。「アナタ、話せないだけで読み書き、聴くのは出来るのね」との喜んで良いかわからない試験官の感想に言葉が詰まった。うーん。正直にデンマ語を話したのはその日が2度目だったが、テスト内容はもっと難しくても良かった旨を伝えると今度は試験官が困っていた(うっ。そう言えばドイツでデンマ語を取っていたから、嘘をついていたことになる。正確には来デン半年で2度目だったか。何れにせよ、試験官さん、ごめんなさい。ちなみにそれまで唯一デンマ語を話した経験は、お婆サマから頂いた結婚祝いのお礼。いかにワタシが温い生活をしているかがわかる)。

何とか初級からのスタートは免れて始まった語学学校。どんなインターナショナルなクラスに当たるんだろう?と期待に胸を膨らませて向かった教室にはヨーロッパ人しかいなかった。(デンマークには全く関係ないけれど)アファーマティブ・アクションって何だったっけ?と思うくらい真っ白。春の陽気に浮かれていないで紫外線対策しておかないとな、と思うくらい真っ白。とにかく笑っちゃうくらい真っ白。聞けばほとんどが在デン2年半から5年のベテランさん達。皆さん一体、何故ここに?

しかし授業が始まると、そこまで恐れることはなさそうな感触。「なんだ、みんな話せないぢゃんw」と油断していたら、皆さんアルファベートの国のご出身だけあって、流石に読める・書ける。早速ビシバシしごかれた。しかし大人しいフリをしていられたのも数日だけで、他のクラスメートが答えられない時に発言していたら、徐々に助け舟出し隊としての頭角を現し、今ではお笑い要員としての地位を確立した(だって、黙っていたら先生も困るし、何か勿体なくない?)。在デンの先人のブログを読んでは「どんな怖いクラスメートがいるんだろう?」と戦々恐々としていたのだが、そんなクラスに一人はいそうな面倒くさい人物とはワタシのコトだったかもしれない。まぁ、いいや。その後、しばらく休んでいたというクラスメートがポツリポツリと姿を現した。どうやらアジア人がワタシ一人という訳ではなさそうだ。やれやれ。

よく耳にする東洋・西洋言語間に現れる壁とやらにはまだ出くわしていない。いや、多分既に現れていても認めたくないだけだろう。まぁ、そのうち直面する筈なので奢ることなく、そして恐れることなく準備だけはしておこうと思う。

 そうだよね。コトバが出来なかったら薬も買えないしね。写真は点字付頭痛薬の箱。
見えない壁について薀蓄語るより、見える優しさにほっこりして取説でボキャブラでも増やすコトにするわ。

0 件のコメント:

コメントを投稿