3.12.2013

期待しない力

先日の春の陽気から一転して、一気に「暖かくない日常」に戻った。何のことはない、暖かかった頃にわずかに点けておいた暖房を消したのだが、それををすっかり忘れていた為、ダブルで寒く感じただけである。スイッチひとつで快適な生活環境が得られることはありがたい。それはさて置き、思わず感心した出来事があった。配管工が工事を終わらせてくれたのだ。しかもデンマークとしては驚異的なスピードで。



しばらく留守にすると水の跡がくっきり残る、きちんと水が止まらない蛇口に彼が業を煮やしたのが火曜日の夜。ワタシ達の住んでいるアパートは賃貸なので、修理は大家の了解がいる(勿論経費の負担も大家だ)。大家に連絡したのが水曜日。木曜日か金曜日に工事の業者が来るという。在デン8ヵ月のワタシが受けた印象では、この手の業者さん達も朝は早い。一件目のアポが8時とか普通なのだろうが、流石にそこまで早いのは勘弁との旨を伝えておいた。

出社を遅らせて彼がスタンバイしていたが、全く連絡がないまま木曜が過ぎた。金曜日、「今日もダメだったね」と彼が仕事に出かけてから業者がひょっこり現れた。確かに午前中とは言え、予定を軽く1時間オーバーだ。だからと言って、帰って貰う訳にはいかない。全く心の準備が出来ていなかったワタシが持ち合わせた全てのデンマ語を駆使して状況を説明し、こちらの要望を何とか伝えた。職業云々でひとくくりにするのは嫌だが、彼等に英語が通じないことが多い(だからこそ彼に待機して貰っていたのだが)。

そんなワタシの心配をよそに、業者さんは嬉しいサプライズと共に作業を終わらせてくれた。


サプライズ(其の壱): 
玄関で靴を脱いでくれた。 そんなコトをしてくれた業者はキミが初めてだよ!

サプライズ(其の弐): 
業者さん: 「今は手持ちの部品がないから30分後にまた来るよ」 → ホントに戻って来た(以前、帰ったまま戻ってこない業者がいたな・・・)

サプライズ(其の参): 
ワタシ: 「遅くても○○時には家を出る必要があるんだけど」 → 時間余裕で作業終了!


作業終了後の水回りは当然掃除がなされた形跡が全くなくて、ぐちゃぐちゃだったし、かけておいたハンドタオルも使われて思いっきり汚れていたけど、終わり良ければ全て良し。取り換えた古い蛇口も業者さんが持って行ってくれたではないか(ウチには取り外された後再利用の予定など全くない古い換気扇がありましてね・・・)!



無駄なストレスを消費することなく快適なデンマーク生活を過ごすのに必要なのは期待しない力だと密かに思う。

クリスマスの飾りのパターン。日頃大雑把に見える彼等だけど、単に出来ないフリをしているだけだと思う。論点はそこではなくて、“Power of Low Expectations”を「期待しない力」としか訳せないワタシの日本語の方が問題だ。嗚呼、どうしよう。

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