11.28.2012

高いゴミ袋

日本の買い物袋は素晴らしい。

少し前まで無料だったし、燃やしても有毒ガスを発生しないし、畳んでも嵩張らないし、破れにくいしと、良い事だらけである。と、日本を離れ海外で生活するようになると気付くのはワタシだけではない筈だ。


そんなスーパーの買い物袋、ここデンマークでは2.5kr.前後もする(小さ目の袋で1.5kr. 約20円である)。 それにも関わらずその利用者の多い事(まぁ、自動車の利用者なら再びカートに乗せて運ぶのも手だろう)。大抵がその場でお買い上げ、もしくは持参のスーパーの買い物袋の再利用である。

エコバックって何だったっけ?と、その存在すら忘れそうになるほど布の袋に入れるヒトは見かけない。それよりも籠の方が普及率は高そうだ。

そんな高い買い物袋の行く末はと言うと、ゴミ袋である。

北欧のキッチンシンクの下扉の裏側には、ゴミ袋を支えるホルダーが大抵ついてあり、 確かに買い物袋にサイズがピッタリなのだ。

ゴミ袋自体が売られていない訳ではない。20L(約50cm×44cm)の結び紐付のゴミ袋と買い物袋の強度を比べると買い物袋に軍配が上がるからなのか、忘れっぽいのか、季節毎に変わるデザインのコレクターなのか、単に捨てる程の金銭的余裕があるからなのかは未だ謎である。


※ 買い物袋が有料なのは大型ショッピングセンターやスーパーで、 書店や家電などでは無料のようだ(と言うのはTigerの大き目の袋が有料だったから)。

11.25.2012

Gløgg 2012


「サンタさん、ワタシ今年一年良い子にしてたのよ」と、サンタさんのお膝でおねだりすることなく、日本でのようにワインにスパイスetc.一式.をぶち込み一から作ることもなく、スーパーでグリューワインが買える幸せな季節が到来して早1ヵ月。白ワインを使用した物、アルコールフリー、チョコレートフレーバーなんてグリューワインではないと一線を引きつつ、割と楽しませてもらっている。サンタさん、ありがとう。



紙パック入り(1リットル 16kr.=約230円)の商品はアルコールジュースと思えば悪くない。一つはデンマーク産フルーツワイン+着色料、もう一つの原料含有量トップは水である。値段が味に現れているが、温める時にレーズン&アーモンドを入れれば風味も良くなる。アルコール5%と低めなのがアルコールジュースと揶揄される所以であるが所詮16kr.だ。ちなみにこの3つのうち2つの商品(両端)はイラストこそ違えど製造元は同じ。商品説明も一文字も違わない。ALDIとLIDLの客層の違いに焦点を絞ったマーケティングかどうかは謎である。



ランクが上がって瓶製品。アルコールも 10%から14.5%と商品によってばらつきがある(そして値段も)。左から、

チリのカベルネ・ソーヴィニヨンを使ったのは期待していた程ではなかった。単に期待し過ぎだったが、原料が細かく記載されており大変勉強になった。目を逸らしたくなった現実とは砂糖の添加量。この瓶(0.7リットル)一本に142.5gの砂糖が入っているのだ。罪な飲み物である。そしてワイン。この商品で33%なら他社製品の含有量はもっと低いんだろうな・・・。

商品名に赤ワイングリューワインと謳っているにも関わらずラムが入っているのは、ついつい沸騰させてしまうワタシのような輩が他にいるからですかね?紅茶にラムを入れるのに倣ってお湯割りにしても美味しかったが、個人的にはグリューワインと呼べない(が、この中では2番目だ)。

そして、イラストの可愛さにつられて購入したアルコール低め(10%)の商品には原料説明が一切なかった(良いのか?いや、良くはない筈だ)。薄い、何かが足りない、何とも残念な味だった。

一番のお気に入りは右端。JULENS GLÖGG(デンマークの会社であるが、商品名はスウェーデン語のglöggだ)。温める時にレーズン&アーモンドを入れれば、それはそれは魅惑の液体と化す。アルコール分は赤ワイン以外になく、オレンジ、ジンジャー、カルデモン等、個人的に納得の行く原料だ。気になるお値段はトップの59kr.(約840円)「日本で買うより安い筈」と慰め、今日もこっそり買い物カゴに入れる。


番外編として濃縮原料(500ml)がある。ただワイン1本と(レーズン&アーモンドと)一緒に温めるだけなのだが、これが美味しい。ワインにもよると思うが、ダントツに美味しい。「Gløgg は手作りすることも出来るのよ」と教えて下さったお義母サマ、ありがとうございます(って、インスタントですがな)。ふやけたレーズンも水気を切ってパン生地に入れたらさぞ美味しいことだろうと、よからぬ妄想が膨らむ。

クリスマスまで一か月を切ったが、グリューワイン片手にのんびり読書な夜は続く。おつまみはジンジャークッキーだ。

11.21.2012

Movember

http://mademan.com/

日本を離れ、化粧っ気のない生活をしていると、男のヒトは髭をそらなければいけないから大変だなと思うようになった。日本のように毎日ではないが、それでも面倒くさそうに髭をそり出社する彼。そんな彼が嬉々として髭を整え会社に向かった。今日は有志で参加しているMovember の為の写真撮影が会社であるのだ。

Moustache と November をもじったMovember は前立腺癌を始めとする男性特有の病気の関心を高める運動で、11月に髭を伸ばすだけで参加できる(女の子は付け髭にチャレンジだ)。ピンクリボン運動の男性版といったところか。

デンマークでは過去2年程で知名度が急上昇したMovemberである(注:彼がそう言っていただけです)が、ガタイの大きい大の大人が鏡の前で「オマエの髭は・・・」「いや、オマエこそ・・・」と言い合っているのを想像すると笑える。しかも職場でだ。

一見楽しそうだが、慣れない髭を伸ばすことは苦痛を伴うらしいが、ラスト10日乗り切って欲しい。




11.18.2012

豚ノ国

「New Zealandの“Zealand”ってコペンハーゲンのあるSælland島から来ているの?」と彼に尋ねたが最後、あっさりと肯定されて、それをさっくり信じてしまったワタシが悪いのだが(注:オランダ由来みたいです)、そんなニュージーランドは羊が有名。一人当たりの羊の数が7匹(学校で習った頃はもっと多かった気がしたけれど、やっぱり減少傾向にあるとか)。それに対してデンマークでは豚の飼育量が年々増えて、一人当たり5頭。大半が輸出されるが、それでも自国での消費もダントツである(このデータは古いけど)。

物価が高いデンマークでも肉類では豚肉が一番安く、日本で慣れ親しんでいた(安いと信じていた)鶏肉は特売の日にしか買えない現実。いや、これはワタシのしみったれた金銭感覚が悪いのだけれど。

しかしこの豚肉がめっぽう旨い。デンマークに来るまで豚肉がこんなに美味しいなんて知らなかった。ちゃっちゃっと下準備してオーブンに放り込むだけで「あらワタクシ、いつからこんなにお料理上手だったっけ?」と勘違いしてしまう程である。

そんなデンマーク、スーパーで見かける塊も巨大だ。


渡欧後1ヵ月のとある巨大スーパーにて。思わず撮ってしまったが、日常の光景に驚き写真に収めることがこの先どのくらいあるのだろうか?

11.14.2012

Forbrydelsen III




最近ハマっているテレビドラマがある。アメリカでもリメイク(Killing)された Forbrydelsen III だ。デンマークの近年のテレビドラマシリーズとしては唯一BBCでも放送されたらしい。よくある一話完了型ではなく、1シリーズでじわりじわりと完結させて行く形式に最初こそ戸惑ったが、今では放送日が待ち遠しい程になった(って、字幕なしだと全くのお手上げ状態で、何を言っているのかわからないのだけど)。

主人公はクライムシーンの警察官という設定でいつも同じセーター。衣装代がかかってなさそうと思いきや、今シリーズではちょくちょく変わっていて面白い。 何でもシーズン1のセーター(写真上)は良く売れたそうだが、ワタシとしては主人公(Sofie Gråbøl)の疲れた表情からただただ女優魂を感じるだけである。

話は変わるけど(いや、わかるヒトにはわかる)、スウェーデン語(以下スウェ語)って可愛いね。懐かしいあの抑揚のある響き。(確かにデンマ語の字幕があったが)習ったことのないスウェ語が聞き取れてデンマ語が聞き取れない自分に苛立ちつつ、じっくり付き合って行くしかないなと、半ば開き直りモードである。

何はともあれ、最終回まで目が離せない。それまでデンマ語も頑張ろうね。次回はもう少し聞き取れたら良いね。

11.11.2012

カルキ抜き

引越し直後のアパート清掃に勤しんでいた時のひとコマ。

カルキは石灰と言ってしまえば済んでしまう、いつの間にか水回りが白くなってしまうソレである。

シャワーなどでは、「うん?最近蛇口がキツくなってきたかな?」シュッ、シュッと、カルキ用の洗剤の存在は知っていたのだが、コーヒーメーカーなど、直接体内に入る範囲に関しては尻込みしていたワタシ。

で、とうとうデビューしたわけですよ。カルキ抜き洗剤に。

指定された数量で割り、液体に漬けること数十分、しおらしくブクブクと何かを発する液体。(気の短いワタシは液体を1度変えたが)何も手を加えることなくカ ルキ抜きには成功した湯沸かし器。接触が悪く、使うことなく新しい湯沸かし器を迎えたのは一寸悔しいと言えば悔しいのだけれど、ピカピカになったコーヒー メーカーやフレンチプレスをにやけた顔で眺められたので良しとしたい。



しばらく使ってなかった電気湯沸かし器のビフォア・アフター。

11.07.2012

秋の夜長の過ごし方









渡欧後は毎週金曜日を外食の日と決め、キャハハ、ウフフと外食ライフを謳歌していたのだが、雨の日が多くなる秋が深まるにつれ、「別にわざわざ雨の中、外に食べに行くこともなくない?」と方向転換することにした。

外食が高い北欧のことである。この選択に間違いはないのだが、単に知恵が付いてレストランで飲む一杯のアルコールでビール350缶がスーパーで何本買えるかわかってしまっただけのことである。

えっ?初回からそんなに呼ぶの?と、引越しを手伝ってくれた方々を招いてのお食事会を皮切りに、以後週に一度は誰か彼かを招いて過ごすことにしている。サマータイムを終えても夜の長い北欧である。気の知れない知人(家族)とのひと時は素朴で楽しい。

粗塩を擦り込みブイヨンで蒸し焼きにするFlæskesteg は簡単なオーブン料理ではあるが、毎回脂肪の量に驚いてしまう(でも食べるけど)。







11.04.2012

北欧の味覚

若い頃に慣れておいて良かったと思う北欧独自の食べ物が3つある。ラクリスレバーペーストブラウンチーズだ。

日本人に圧倒的な不評を得ている黒いグミ、ラクリス(Lakris)はほのかにしょっぱくそして甘苦い甘草を利用したお菓子で、ワタシも初めて口にした時は食べきれなかったが、徐々にハマって一時はこれしか食べなかったほど癖になる味である。 渡欧後ラクリスにお茶バージョンもあると聞き試してみたが、これもなかなか美味しかった。北欧のソウルフードとまでは言わないが、ラクリスが日本人に嫌われているのを悲しく思うワタシはそのうちラクリス同好会でも立ち上げようかと思っている(嘘だけど)。今となっては嗜好が変わったのか好き好んで買わなくなったラクリスではあるが、「いる(食べる)?」と差し出されたグミの袋(ロシアンルーレット)に手を突っ込んで、顔色を変えずに食せるのは大きなアドバンテージだと思っている。

レバーペーストも好き嫌いが分かれる食べ物なのか、あまり良い噂を聞かない。ワタシは黒パンにレバーペーストを塗ってその上にスライスしたチーズを載せて頂く。この食べ方に懐疑的だった義兄にも好評で最近はこのスタイルにシフトしている。彼はチーズではなくスライスした玉ねぎを載せるのが好みらしい(スライスするのが面倒な時はチーズで済ませる。既に皮が剥かれている玉ねぎは冷蔵庫にあるのにね)。

ブラウンチーズは作り方が色々あるようだが、ノルウェー育ちのワタシにとってのブラウンチーズとはヤギのチーズであるGeitostのTINEの製品を指し、これとパンさえあればお昼ご飯が済んでしまう。
この癖のある塊を意地汚く分厚くスライスしようとすると縁がボロっつと取れてしまい、中々スマートに食せないのが難点ではあるがとにかく美味しい。我が家でブラウンチーズを食べるのはワタシだけなので買う時はこっそり買い物カゴに入れるようにしている。



チーズに直接ラッピングされているのでクルっと包装をめくり上からスライスするのだが、この四隅に空いている穴がなければ至難の業の筈だ。ぶきっちょなヒトでもきちんとチーズにたどり着けるようにとのTINEの愛を感じるのはワタシだけだろうか。