Moving to UK with EEA Family Permit

デンマークに嫁いで11ヵ月。今度はイギリスに引っ越すことになった。

喉元を過ぎれば何とかやらで、デンマークでのビザ申請がどれだけ大変だったかなどすっかり忘れ、苦虫を噛み潰したような顔で手配を始めた。国際結婚とは切っては切れない関係にあるビザの手続きだが、前回の申請からたった9ヵ月。ロマンスの自爆装置と呼んでいるその手続きを、何が悲しくてこんなにもすぐ繰り返さなければならないのか?しかも季節は初夏、場所は北欧。暗く長い冬が終わり、1年で一番良いと言われている季節にデンマークを去ったのだ。夏至祭(サンクトハンス・アフテン)は今年も逃した。

不満を漏らしていても仕方がないので Home Office の申請書とガイドラインをプリントアウトして読み込む。オンライン申請し、コペンハーゲンにある施設でバイオメトリックを予約、がっつりビデオを撮られながらインタビューを受け、指紋も取られ、送付用封筒と、DHLの返信用伝票を貰った。ワタシ達がUK Border Agency(以下 UKBA) 送った書類は以下の通り。インデックスは当然付けた。

1.    プリントアウトした申請書とバイオメトリック時に貰ったDHLの返信用伝票
2.    現行パスポートのコピーと原本
3.     パスポートサイズのカラー写真
4.    滞在許可証のコピー(と、原本は送るなと注意書きされた書類)
5.    期限切れの1つ前のパスポートのコピー原本
6.    婚姻証明書(英語を含む外国語版)のコピーと原本  
7.    配偶者による証明(手紙)
8.    配偶者の雇用主からの手紙
9.    配偶者のパスポートのコピー(コペンの公証人役場で取って貰えた)
10.  配偶者のIDカードのコピー
11.  申請料(はかからない筈なので、とりあえず返信郵送料の領収書)
12.  配偶者の残高証明(のプロによる英訳)

書類を送ってから散々後悔したのだが、会社の法務からもそんな指示はなかったのでお付き合いや婚姻を証明する結婚式の写真等は一切添付しなかった。銀行の証明は前もって弁護士のチェックを受けていたし、何かあったら連絡は弁護士にね、と、記せたのは大きかった。バイオメトリックを受けてギリギリ3日以内の金曜の午後に発送。「週明けには届くよね?」と、一安心したのだが、この時はこれから悪夢が始まるとは夢にも思わなかった。
 
そう、配達途中に荷物が紛失したのである。

通常、パスポートを手放すなど、海外生活を送っている人間には考えられないコトだが、大英帝国サマの仰るのだから、間違いがないだろうと信じたワタシ達が間抜けだったのか(多分そうだ)?指定された封筒に(追跡可能な)指定された方法で送ったのだが、イギリスに着いた途端、足跡が途絶えたのだ。

双方の郵便局に連絡を取り、弁護士にもUKBAに取り合って貰ったが、何の進展もないまま刻々と時間だけが過ぎていった。アパート契約を解消し、次の入居者の目途も立っていたので、早く次の手を取らなければ間に合わない。荷物が完全に紛失したとの最悪の場合を想定して、彼のパスポートの認証されたコピーを地元の公証役場で取り、コミューンで婚姻証明書を再発行してもらった。そしてワタシのパスポートを再発行するのに必要な戸籍抄本(都心に限らず、海外から手続き出来るようにして貰いたいのだが)を実家に依頼をしたその日に、ようやく荷物が配達されたとの確認が取れた(って、追跡してわかっただけで、謝罪とか一切なし)。

興味深かったのが彼の対応で、「確かに事態は深刻だが、紛失したのは所詮、物だ。人間が事故に遭ったとか、重傷を負ったわけではないのだから、最悪の事態ではない。」と言ったコトだった。「なくなったのはアナタ(彼)のパスポートではない!」とつっこみつつもそれなりに納得したワタシ。それでも、忙しくしている両親に戸籍謄本を取って送って貰うコトが心苦しくて(さすがにパスポートがなくなったことは伏せておいた)、早く発見されないか、されないかと何かに憑りつかれたかのように始終タブレットで追跡ページを更新していたのが、デンマーク生活最大の修羅場だった。 ちなみにデンマーク滞在をかけた筆記テストもこの修羅場の10日間の間に受けた。語学テストというよりもう、精神の修行か何かだろう。

荷物を捌いた人間がいい加減で、その辺に放置しておいたのだが、紛失賠償の申請がされたのをきっかけにその上司が確認することになり、郵便物がパスポートだったコトを知ってあわてて配達したのではないか。と、下衆な推測をしてみたが、当たらなくとも遠く外れていないと思う。

DHLの追跡によると英国を出たのはUKBAに書類が届いてから9日後のことだった。これに関しては10-15日はかかると踏んでいたので評価したい(って偉そうだが)。っていうか、まさか渡英前からRoyal Mail の洗礼を受けるとは。うわさには聞いていたが良い経験をさせて貰った。サービスの質がデンマークに住んでいた頃よりも下がるのは必須である。

本来であればイギリスへは配偶者と共に入国しなければならないらしいが、彼が既にイギリスで働いていたので、ワタシ一人での入国であった。イギリスへの入国の厳しさは以前から聞いていたのでガクガクブルブルして入国管理局へ向かったが、幸運なことにワタシのフライトはEU発。前後に海外からの便がなかったのか、EU以外の列も待たず済んだ。 親指と人差し指の指紋を取られ、(ビザの有効期限が6ヵ月しかないので)「早く延長手続きをするように」と指示されたくらいで、あっけなく入国となったが、ふりだしに戻って一からやり直しという感じが否めない。もう少し肯定的に表現すると、経験値は積んだがゲームオーバーで、異なるステージでプレイする感じかな。

大きな声では言えないけれど、既にホームシック

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