6.04.2013

Kaprice Metode

自慢にもならないが根気がない。洒落にならないほど続かない。ヒトは新しい習慣を身に付けるのに最低3週間必要だそうだが、ワタシなど勿論3週間どころか3日も持たない。3日坊主とは良く言ったものだが、残念なコトにワタシの持久力は2日しか続かない。ではその2日で何をするか、(一週間分-日曜日の)6日分こなせば良いのだ。1日3日♪と言うのは半分嘘(で半分ホント)。

世の中の語学のプロは中々手の内を見せてくれないので、馬鹿にされるのを承知で手応えが良かった進め方を記してみる。

先ず、「初めにゴールありき」。テキストを開く前に、何故その言語を学んでいるのか、何故そのテキストなのか、いつまでにそのテキストを終わらせたいのか、テキストを終えた時にはどうなって/何が出来るようになっているのかを想像してみる。そして、早くその状態の自分になりたいなという思いでテキストを始める。

「何故そのテキストなのか?」の問いには、「このテキストの筆者は自分がこれから費やす5倍の時間とお金をかけてこのテキストを作った筈だから、その思いを無駄にしない為に!」とか、「このテキストを終わらせない限り春は来ない」とか、「テキスト終了が白馬の王子様がやって来る最低要求ライン」とか、正直何でも良い。山があれば登ってしまうヒトには「そこにテキストがあるから!」という理由づけでも良い。単に上からやれと命令されてこなすのではなく、自主性が欲しいのだ。

「いつまでにそのテキストを終わらせたいのか?」人生思った程長くはない。締切を定めよう。例えばテキストは15課あるから月から金の週5で3週間かな。と、土日は休める余裕を持たせる。ただ、進みたい場合は進んでも良いが、テキストは3回繰り返すとか一度きりのお付き合いにならないように気を付ける。

最後の自己暗示的なものは好みが表れるトコロだが、てっとり早く説明すると「意識のレベルを変える」コト。残念な現実だが世界の億万長者が過ごす意識のレベルで大抵のヒトは一日を過ごしていないだろうし、それと同じように語学のプロやその上級レベルまで到達したヒトの意識のレベルでは大抵の学習者が学んでいる訳ではない。そこで想像してみるのだ。その目標とするレベルのプロがどのように語学をとらえているのか、出来るようになったらどんな日常が待っているのか。本棚にボロボロになるまで使われた辞書はないか、お気に入りのその言語で書かれた本がないか、DVDがないか。又はその言語が使用されている国で臆することなく旅していないか、働いていないか。それをしている時にどのように感じているか想像してみる。想像するだけタダだ。もっと貪欲に想像してみる。そしてその想像上の何でも可能だった世界の自分と、今の自分を比べてみる。「こんなコトしている場合じゃない!(早くあのレベルの自分にならなきゃ!)」とお尻を叩かれている感じがしたらシメたものだ(この「なったつもり」暗示は語学に限らず結構使える。例えば海外旅行から帰って来てスーツケースの荷ほどきをしなければいけないが、時差ボケでそんな気力もない。そこで知人の綺麗好きなA子だったらこの場合どうするだろう?と想像してみる。彼女ならするだろうな。ちょっとA子になったつもりで片づけてみようかな?と、置き換えるだけで荷ほどき出来てしまうから不思議だ。お試しあれ)。

そしてテキストAから始める。進む速度を1日一課と定めていないので、苦痛にならない程度に進む。テキストを始めたばかりは一日に何課でも進めるだろう。調子に乗ってテキストの半分くらいまで進んでしまうと2日目にはお腹いっぱいになっている筈だ。3日目に、そのテキストではもう食が進まないので、テキストBをつまみ食いしてみる。やはり面白そうな言語なのでテキストBを何かに取りつかれたようにこなす。3日目にはもう目にも入れたくないくらい詰め込んだので、テキストCを齧ってみる。期待を裏切らずこの言語は面白そうだ。やっぱり自分はこの言語は好きなんだとページをめくる。随時テキストA、Bで習ったことが出て来て「コレも知ってるぞ。アレも知ってるぞ。オマエのコトは全て御見通しだ!」と、変にテンションが上がる(この知的アドレナリンの大放出を経験するだけでも、これは試す価値があると思うのだが)。日曜日は休んでもOK(というか、休んだ方が翌週「駆り立て」られやすいので是非休むべきだ)。翌週は、またテキストAに戻り、先週の続きから進める。2日間全力投球した後は、テキストBで心機一転。更に2日後にはテキストCへと進む。

これは基礎中の基礎である文法を学ぶ時が最も適しているが、ある程度終えたらどのテキストにも応用出来る。易しめのテキストばかりやっていてはつまらない。背伸びして上級のテキストを齧ってみる。(当然歯が立たないので)「1ヵ月後に待ってろ」と捨て台詞を残し中級のテキストを手に取る。少しわかりづらいトコロが出て来たら初級のテキストで確認してみる。とあるテキストで句動詞に情熱を注いだ後は、接頭辞・接尾辞を洗いざらい調べても良いだろう。発音こそ色々テキストをこなして何でも耳に入れることだ。熟語やことわざはやはり毎日コツコツと確実に詰め込む方が良いだろう(って、それが出来れば苦労しないのだが)。これらは寝る前に数ページだけ読む等、負担にならない範囲で日常生活に溶け込ませるしかない。

個人的に面白かったのが、テキストをこなしている最中にお告げの如くマイブームがやって来たコト。昨年の夏は「不規則動詞こそ全て!」と、いきなり無味乾燥的な表を作り、140-160程しかないが不規則動詞を全て覚えようとしたり、「人生に彩りを!」と、形容詞や形容動詞ばかりに傾倒したり、「いやいや、オトナですもの数字の序数(first とか second とか)くらい書けないと!」といきなり一人筆記小テストが始まったりした。この不規則動詞と形容詞/形容動詞マイブームは自分でも笑ってしまう程規則的にやって来た。ちょっとは苦しかったのだろうか?周期をメモしておかなかったのが悔やまれる。

注意すべきポイントは、一日にテキストA、B、Cとこなすのではなく、テキスト一冊のみに集中するコト。テキストによってこなす順序が当然違うが、カバーする文法はほぼ同じ筈。テキスト3冊使用するわけだから、必然的に3度学んでいることになる。一度で3度美味しい。一日1課などと決めていなければ例えば15課 あたりのテキストなら10日程(2週間)で終わる筈である。それを3度繰り返せば一か月半で文法マスターだ。大学の1セメスターの半分くらいか?決して悪くない方法だと思うがどうだろう?


とある日の本棚。上段の約半数と、下段の2冊を除き、残りは借り物(だからタイトル面がテキストのみ)。ありがたや、ありがたや、図書館サマ。

ブログタイトルである Kaprice Metode の kaprice は kapriciøs(英:capricious)から引っ張ってきたつもりが(読み返してみると lunatic だった)、フラ語系、イタ語系で何だかお洒落だ。語学業界のトレ○シー・メソッドの如く、新しいコトバの学び方として一世を風靡・・・なんてまずしないだろうな。

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